射精無快感症改善の糸口-過去の挫折
射精無快感症改善のヒントを得る機会が、これまで何度かありました。
私のかかえる体調面の問題もまじえてご紹介します。
健康状態
私は生まれつきとても胃腸が弱いです。
小学校低学年のころから、いつもお腹にもやもやした感覚をもつようになっていました。中学生のころからトレパンのゴムが苦しく感じるようになり、十代のおわりごろからは、みぞおちの痛みが慢性化しました。常に息苦しいのです。また、同時期から肩こり腰痛に悩まされるようにもなりました。
自慰で気になったこと
マスターベーションを覚えたてのころ、亀頭を刺激すると足の裏が熱く、そしてくすぐったくなっていました。このことから、快感が「せき止められている」のではないかと考えるようになりました。
当時の私は健康サンダルをはくと痛くてしかたなく、また足の裏をこすって洗うとくすぐったくて5秒とつづけられませんでした。十代にしてこれです。
体を風が吹き抜けた
あるプロ野球選手と結婚した女性が、プロポーズされたときに「体の中を風が吹き抜けるような感覚」があったと語っていましたが、あるとき私も同じ体験をしました。
といっても好きな人からプロポーズされたわけではありません。20代前半のある日、夜中に突然胴体の下から上に心地よい風が勢いよく吹き抜けるような感覚に目が覚めました。今にして思えば、体の好調の波が少し極端な形でおとずれたのでしょう。
「気」という言葉を聞いたことくらいはありましたが、この風こそもしかしたら「気」なのではないかと興味を持ちました。(話がオカルトっぽくなるのを警戒される方もいるかもしれませんが、ご安心ください。一般的な健康法にしか言及しません。)
つかの間の好調
体を風が吹き抜けて以来、体がすっきりし、頭がさえているように感じました。この好調がつづけば健康な体を獲得できるのではないか、射精時の快感も得られるようになるのでないかと期待に胸を膨らませたものです。
しかし好調は日に日に沈静し、数日後には以前の体調に近い状態に戻ってしまいました。
気功法に興味をもつも挫折
突然おとずれた体の好調がおさまっていく中、この糸口を逃してなるものかと書店を巡り(当時インターネットはありません)、古書店で見かけた気功本を買ってみました。すべて同じ著者です。
(最初に買ったのは上から2番目の本ですが、その後計4冊をそろえました。)
自己啓発っぽいタイトルに今なら敬遠していたと思いますが、当時は藁にもすがる思いで手に取りました。
読んでみると気功の型やコツがとてもわかりやすく説明されていました(良書だったと今でも思います)。早速ためしてみたところ、まだ謎の好調の波が残ってもいたのでしょう、初めてにもかかわらず、それなりに気持ちよさを感じることができました。
気功こそが私が健康を獲得する最後の砦のように思い、日課にする決意をしました。
毎日90分くらいを数か月。私にしてはよく続いたほうだと思いますが、やはり独学には限界があります。上達している実感が得られなくなるにつれ、尻すぼみになってしまいました。ずっとほしいと思っていた健康(と性的快感)を得るための糸口を自ら手放すなんて実に愚かだと自分でも思いますが。
もっとも挫折したあとも、肩こりや腰痛がひどいときは、寝る前に15分ほど気功を行って痛みをしのいでいました。不調の波をいくぶんおさえることはできても、健康回復には至らないというのが、私の習得レベルだったといえるでしょう。
「気の流れ」は「血の流れ」
これらの気功の本には、「気の流れがよくなれば、血の流れもよくなる」と書かれています。「気」というものが存在するかどうか私にはわかりませんが、少なくとも体感としては確かにあります。
体の悪い部分は、固い粘土が詰まっているように感じます。しかし血行がよくなると、そこに心地よい風が通ったように感じられます。
そうした変化を感じるにつれ、血行の改善が射精時の快感につながるのではないかという思いはより強くなりました。
気功がつづかなかったわけ
健康面の問題をいくつか抱えている私ですが、諸悪の根源は胃腸だと思います。慢性的に息苦しいのですから、まあ普通ではありません。
気功では腹式呼吸で大きく吸ったり吐いたりを繰り返します。私にはそれすら重労働なのです。前述の本には「気功はただ気持ちいいだけ(なので長つづきする)」とありますが、私にはやはり取り組むのに一定の踏ん切りが必要でした。
ご紹介した4冊のうち上の3冊にわたって紹介されている「太極気功十八式」は、簡単で気もちよく、しかも効果的でした。今にして思えばこればっかりやっていたほうが長つづきしていたかもしれません。
しかし4冊目の「八段錦(はちだんきん/はちだんにしき)」は少しちがいました。(胃腸の弱くない人にとっては変わらないかもしれませんが・・・。)
その名のとおり一段錦から八段錦まで8種類の型があり、一段錦は胃腸を丈夫にするという私にうってつけの型。ところがやり方もよくなかったのでしょう、この型を行うと疲れるのです。この型はかなりしつこくやりましたが、改善の兆しは見られずじまいでした。
気功には珍しく全身に力を入れて行う七段錦も、力を入れるとみぞおちが痛く、やはり疲れました。
とはいえ八段錦が効果の高い気功であるのは確かなようです。心肺機能を高めるという二段錦は私にも気持ちよかったですし、三、四、五段錦は少し痛いけれども肩こり腰痛によく効きました。
気功においては丹田呼吸の習得がきわめて重要といわれています。臍下丹田に気を集めることができるようになれば、気功は一気に上達するそうです。私はそこまで到達できませんでした。ごくたまに、下腹部がほんのり気もちよくなることがあった程度です。
余談ですが、気功の気もちよさというのは性的快感とよく似ているように思います。欲情するしないのちがいこそあれ「気もちいい」という状態そのものに大差はないのではないでしょうか。
ともあれ気功は数か月で挫折。その後改善の糸口がつかめないまま十数年がすぎます。